東京の医大生によるブログ

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物の考え方

思考の整理学  外山滋比古

印象的なところ

・物を考えるとき・・新しいことを考えるのに、全て自分の頭から絞り出せると思ってはいけない。すでに存在する物を結びつけることによって新しいものが生まれるのである

・考え事をしていて、テーマができてもそればかりを一途に考えるべきではない、しばらくねかせ、温める必要がある セレンディピティ

・会話が脱線したっていいじゃん

・思考の整理というものは第一次的思考をより高い抽象性へ高める質的変化のことである、、これには寝かせ、時間をかける必要がある

・思考の整理には忘却が最も有効である

・ことわざ

・仕事をし、普通の生活をしながら考えたことを整理して新しい世界を作る

・知的活動3つ 1.既知の再確認 2.未知の理解 3.全く新しい世界に挑戦 

・文学的作品を情緒的にわかったとして満足するのではなく、解釈によってどこまで既知の延長線上の未知がわかるものか、そのさきに想像力と直感によってのみ捉えられる発見の意味があるかを考える

この本を読んで

 本書の前書きにグライダー人間と飛行機人間という2つの比喩がある。前者は受動的に知識を得るもの後者は自力で物事を発明、発見するものである。現代の学校教育においては圧倒的にグライダー人間を製造してしまう節がある。しかしコンピューターが台頭してきたこの時代において本当に必要なのは、飛行機人間である。

 普段勉強している医学はどうしても詰め込み教育のようになってしまう。これはこれから臨床医学を勉強する上で欠かせない基礎であるから仕方ないと割り切らざるを得ない。しかし、ただ漫然と先生がおっしゃったこと、教科書に書いてあることを何も考えずに機械的に暗記するだけではある程度で終わってしまう。また、日々の生活を医学の暗記にのみ費やし、そのほかの分野について一切の考えを及ばせないというのもよくない。そこで、必要となるのがたくさんの人と会話をすることである。医学部という閉鎖された環境に留まり限られた仲間と心地よい環境で過ごすのも悪くないがそれだけでは成長は望めない。もっといろいろなことをしている人との交流の機会を設ける必要がある。